第2回は「お酒の作法と懐石・会席料理について」。

和食の基本をお伝えした第1回から少しステップアップして、お料理もコースになり、コースの流れを説明すると共に、ビール・日本酒・ワイン等を頂く時のお酒のマナーをお伝えしました。

和食と併せてお酒を頂く機会があると思いますが、ビールは飲んでも日本酒はあまり飲む機会がないという方も案外いらっしゃいます。
第1回で和食の基本は、「両手を使い、動作はひとつずつ丁寧に行うこと」とお伝えしたのですが、お酒を頂く時もそれは同じ。
お酒を注いで頂く時、必ずグラスやお猪口には両手を添えます。
お酒を注ぐ時、ビールはラベルを上に相手に見えるように注いであげましょう。
一方日本酒の場合、「逆さ注ぎ」と言って手のひらを上に向けて注ぐ方法(①)はマナー違反にあたりますので、左手で徳利を持ったら右手の甲を上にはらの辺りを持って注ぎます(左利きの方は反対になります)(②)。

(①)  (②)

また、徳利を空けたら中が空と分かるように倒しておくように、とこれまでに教えられたことがある、という方もいらっしゃるかと思います。残念ながらこれはマナー違反ですので、やらないようにしましょう。

今は日本食に合わせてワインを頂くという方も増えてきています。
そこで気になるのがテイスティングの仕方。
テイスティングは好き嫌いをみるものではありません。注文したワインに不純物が入っていないか、味がおかしくないか、変色していないか、異臭がしないか、を確認するためで、いわゆる毒味、です。
ですので、「美味しいです」や「好きな味です」と答えるのは少しおかしいですね。
「大丈夫です」「結構です」と答えましょう。
また、女性に「テイスティングしてみたら!?」と気軽に仰る男性がいらっしゃいますが、これは(極端に言えば)「きみが毒味してよ」ということになってしまします。
参加者の皆さんも「あぁ~、今まで毒味させていた~…」と苦笑いされていました。

お食事の前のお酒だけでも、細かくお伝えすると色々とルールがあります。
ビジネスでは接待など、お酒の席も多くなりますからこのようなお酒のルールを覚えておくと恥をかくことがありません。

お食事を頂きながらの実践の際は、第1回の内容を皆さんしっかりと復習されながら少し難易度の上がった実践に挑戦されました。

なかでも蛤のお吸い物は殻の扱いに困る一品です。

殻があると飲み辛いですし、かといって蓋の上に殻を置いて良いものか気になる、と参加者の皆さんも仰っていました。
こんな時は第1回から頻繁に利用してきた懐紙をやはり使っていただきます。
両手でお椀の蓋を開けたあと、その蓋の上に懐紙を用意し、その上に殻を置きましょう。
高級なお店は器も良いものを使っていますから、その器を殻で傷付けてはいけません。
懐紙を置くことで器を傷つけることなく、また、カチャカチャという音も出さずに殻をお椀から出すことが出来ます。
頂き終わったら、懐紙ごとお椀の中に戻し蓋を閉めます。

ちょっとした動作一つで、ワンランクアップした丁寧さ、礼儀正しさ、スマートさを持つ洗練された人になりますね。

今回もポンポン質問が飛んできて、積極的に学び実践して頂けた会でした。

第3回は4月16日(月)で、骨付きお魚の作法を集中的にお伝えする予定です。

参加者の皆さんと。

 

*お店について↓

<ひのや>
住所  東京都目黒区平町1-25-14
HP    http://hinoya.tokyo.jp/
東急東横線・都立大学駅から徒歩1分のところにある創業三十余年の日本料理「ひのや」では、四季折々の旬の素材を活かした料理の他、愛媛の郷土料理「宝楽焼き」や「鯛茶漬け」を楽しむことが出来ます。
格式のある佇まいに一歩踏み込むと、素敵な和の作りにとても落ち着きを感じ、ゆっくりと時間を過ごしたくなるお店です。